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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
〒791-2114
愛媛県伊予郡砥部町麻生40-1
TEL:089-957-5511
FAX:089-957-5542

平成25年

2013/01/30
H25 No.1

 先日の三好春樹先生の講演は衝撃を受けました。砥部病院の「あたり前」が三好春樹先生の「非常識」であることを思い知らされました。ある特養施設で先生が働かれていた時、病院から送られてくる患者さんにはいつも3つの褥瘡がお土産で付いてきました。その施設の看護師さんに理由を聞くと「それは体位変換したからよ。しなければ、1ヵ所で済んだのに」と言われたそうです。寝たきりにして、褥瘡を防ぐ姑息なやり方が体位変換であると言われました。何故寝たきりにしてはいけないのでしょうか。目に見える身体レベルでは、1褥瘡 2筋萎縮 3骨粗鬆症 4肺萎縮を生じ、目で見ることのできない機能レベルにおいては、1バランス機能の低下 2血圧調節機能低下 3心肺機能低下 4精神機能低下が起こるそうです。そして、生活レベルでの弊害として、1食事 2排泄 3入浴を挙げられました。どう食事をするか、どう排泄をするか、どう入浴をするかということこそが、患者さんの人間としての尊厳を守ることにつながると強調されました。1食事については、ギャッチベッドで食事をすることの弊害、人間は少し前かがみの状態で食べるのが食べやすく、誤嚥も防ぐことができる、2寝たままの排泄では、腹圧が座った時の半分で地球の重力は味方せず便秘になると言われました。ここで非常に大切なことは、排泄ケアの中にこそ人権がある「排泄最優先の原則」です。便がしたいと患者さんがナースコールします。「ちょっと待ってね」と答えたその人が家に帰ってから思い出し、患者さんは便秘になるそうです。3入浴はたくさんの人を入れると作業になってしまい、機械浴は人体洗浄機、老人になってから新しいことを体験させてはならないことを教わりました。後半は山田豊、裕一さん親子に小さな檜風呂で入浴介護の実際を小城先生がモデルとなって実演していただきました。浮力を利用した目から鱗の介助方法でした。「人が関わるから人は元気になる」「やってみたらできることはたくさんある」と言われたことが印象的でした。

 風呂が変われば、入浴が変わる。入浴が変われば、食事も排泄も変わる。入浴、食事、排泄が変われば、患者さんの尊厳が守られる。患者さんの尊厳が守られれば、私たちがうれしくなる。私たちがうれしくなれば、私たちの人生が変わる。

まずは、センター長の望み通り、風呂そのものを早急に変えたいと思っています。

平成25年1月24日

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