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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
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平成24年

2012/09/28
H24 No.9

 先日、下記のようなニュースが報道されました。皆さんはどのようなことを感じますか。

 

        「60年間の人生狂わされた」産院の取り違えで東京地裁に提訴

                                 産経ニュース 2012.9.11

  出生直後に別の新生児と取り違えられた男性(59)と実の弟3人が「約60年間にわたり人生を狂わされた」として、産院を設置する社会福祉法人に約1億5000万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴していたことがわかった。訴状によると、男性は昭和28年、産湯の後、別の母親の元に戻された。2歳で戸籍上の父親を亡くし、工場で働きながら定時制高校に通った。一方、男性の生みの母親に渡された新生児は大学まで進学した。男性の実の弟が平成21年に、兄の容姿に違和感を覚え、DNA鑑定をして血縁関係がないことを確認、産院の台帳を証拠保全するなどして、実の兄を捜し出したという。しかし、その時には両親は既に死亡。男性は「失われた時間を取り戻すことは不可能だ」と訴えている。

 

 この訴訟事件には複雑な事情があるとは思いますが、いかなる事があろうとも、新生児の時の取り違いで、自分の人生すべてを「失われた時間」と否定してしまうのは、あまりにも悲しすぎます。生みの親に育てられなかったという悲劇はありますが、その後の人生は自分の努力次第、考え方次第なのではないでしょうか。

 私たちも、何かうまくいかなかった時、環境のせいにしたり、人のせいにしたりすることが、たくさんあります。しかし、「各人の運命は各人の手中にあり。運命を切り開くは己であり、境遇をつくるも亦自分である。己が一切であり、努力がすべてである」なのです。私はこの言葉を暗記し、自分に言い聞かせるようにしています。さらに、坂村真民先生は言われます。「よい本を読め。よい本によって己を作れ。心に美しい火を燃やし、人生は尊かったと叫ばしめよ」と。

平成24年9月24日

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