平成23年
毎週木曜日、朝6時半より砥部町商工会議所において倫理法人会のモーニングセミナーがあります。砥部病院は倫理法人会に入会しましたので、職員の方なら誰でもこのセミナーに参加できます。
本日は、詩人坂村真民先生の娘さんの真美子さんと結婚された西澤孝一さんが、「震災後をどう生きるか~坂村真民の詩をヒントに~」という題で講演をされました。
東日本大震災後、日本人の生き方は次のように変化しました。
1.家族をかけがえのない存在として意識するようになりました。
2.助け合い・自己犠牲の精神を多くの人が再確認しました。
3.自分に素直に生きることを望む人が増えてきました。
物が溢れるこの世の中で本当の豊かさとは何なのだろうと考えている人は砥部病院の職員にも多いはずです。
震災後に再認識された、これらの生き方は、真民先生の生涯そのものであり、先生の残された詩のなかにたくさんヒントが織り込まれています。真民先生の「時」という詩を紹介します。
日の昇るにも手を合わさず 月の沈むにも心ひかれず
あくせくとして一生を終えし人の いかに多きことぞ
道のべに花咲けど見ず 梢に鳥鳴けど聞かず
せかせかとして過ぎ行く人のいかに多きことぞ
二度とないこの人生を いかに生き いかに死するか
耳をかたむけることもなく うかうかとして老いたる人の いかに多きことぞ
川の流れにも 風の音にも 告げ給う声のあることを 知ろうともせず
金に名誉に地位に 狂奔し終わる人の いかに多きことぞ
生死事大無常迅速 時人を待たず噫々
私たちは、あくせずせず、せかせかするのではなく、うかうかせず、狂奔し終わるのではなく、もう一度先生の詩を読み返し、これからの生き方のヒント、生きる力をいただこうではありませんか。
平成23年11月24日