平成23年
北条高校吹奏楽部が見事四国大会において金賞を受賞、今年10月23日に全国大会に出場します。久永萌さん(当院久永看護師の娘さんです)は砥部中学校で吹奏楽の魅力に取り付かれ、北条高校に進学しました。当時すばらしい指導者が北条高校には居られ、その指導を仰ぎたい一心からの選択でした。ところが、その指導者は病気で休まれることになり、吹奏楽部は試練の日々が続きました。萌さんが2年生になった時、新しい先生が来られました。伊予高校出身で普門館に出場した経験のある池田努先生でした。その新しい先生のもとで猛練習を重ね吹奏楽の甲子園とも言われる普門館への切符を手にしたわけです。
先日北条高校吹奏楽部の定期演奏会に行きました。部訓は「思いやり」今年のテーマは「心奏」でした。自分たちが心を込めて楽器を奏でたいという想いと、聴いてくださる方々と音楽を通じて心の会話がしたいという願いが込められているそうです。演奏会は私の予想を遥かに越えて楽しいものでした。あんなに重たい楽器を演奏しながら、よく立ったり座ったり、右を向いたり左を向いたり、顔を上げたり下を向いたりできるなと思いました。一糸乱れぬ、きびきびとした動作での演奏には感動しました。演奏も然ることながら踊りの時は満面の笑顔で、みんな心の底から楽しんでいるという様子がよくわかりました。アンコールの時間というのが特別に設けられ、何曲も演奏してくれたのが印象に残るすばらしい演奏会でした。
「ホ・ジュン」という韓国で63%の視聴率を取った医療ドラマのテーマは「心医」で北条高校吹奏楽部と共通するものがあります。私たちもまた心を込めて医療を提供することが大切ですし、患者さんの訴えに共感することで心の会話をすることが求められています。患者さんや患者さんのご家族に感動を与えるためには、自分たちが心の底から喜んで、楽しみながら仕事をする姿を見ていただくしかありません。砥部病院の毎日は北条高校吹奏楽部の定期演奏会なのです。「思いやり」を大切にして、「心医」をテーマに、患者さんからのアンコールには、何回でも応えようではありませんか。
平成23年9月25日