令和4年
『臨済録』の一節に「随処(ずいしょ)に主(しゅ)となれば、立処(りっしょ)皆な真(しん)なり」とあります。それぞれの置かれた立場や環境で、自分が主人公になって、なすべき務めを精一杯果たせば、必ず真価を発揮することができると説いています。
私たちはともすれば、不遇や環境を嘆き、不満ばかりを募らせます。その瞬間、こころも、行動も一ケ所に淀んでしまい、同じところをぐるぐると迷いの渦の中に沈んで、行き先を見失ってしまいがちです。
まずは、自分の置かれた環境、条件、境遇をありのままに受け入れる。そうしていったん立ち止まり、今、此の瞬間、自分にできること、手を付けられることは何かをしっかりと見据えてみる。
そこを手掛かりとして一歩を踏み出し、後は結果を顧みず、その瞬間その瞬間に全力を傾け、誠心誠意取り組んでゆく。いつか気が付けば、思いもかけない成果を手にしていた、と勇気づけてくれる一語です。
病院で感染集団(クラスター)が発生したことは、残念でなりませんが、この難局を皆さんが協力し合って、乗り切っていただきたい。
目の前にいる人はウィルスに感染しているかもしれない、自分は無症状でもウィルスを持っているかも知れないと思って、生活してください。
感染経路は3つです。
1 飛沫感染(感染者の咳、くしゃみ、唾液などによる)
2 接触感染(ウィルスの付着した手で自分の口や鼻を触ることで感染する)
3 エアロゾル感染(ウィルスが小さな水分を含む粒子中に存在して、空気中を漂い、それを吸入することにより感染を生じる)
今一度、この感染経路を思い起こして、自分が主人公(随所に主)となって、自分にできるかぎりの感染対策を行ってください。
自分の身を守るためにも、患者さんの身を守るためにも、防護服の脱ぎ方を完璧に身につけてください。各部署、全員が実演チェックすること。
令和4年8月24日