平成23年
質の高い医療を提供する上で、安全性をトコトン追求することは、大変重要なことです。これまでも、アクシデント報告書(事故が起こってしまってからの報告書)をみなさんに提出していただき、いろいろな対策を講じてきましたが、もっと早く気づいていればこんな事故は防止できたはずと思うことがたくさんありました。
何か事故を防止する上で良い方法はないものかとずっと考えていた時、倫理法人会のセミナーに誘われ、業績が爆発的に伸びているブラックサンダーというお菓子を作っている会社の社長さんの「改善済み報告書」の話を聞きました。朝食会にも参加して社長さんの横に座り、報告書の詳しい内容を聞き出しました。改善するべきところのみの提出では会社側の仕事が増えるばかりでしたが、職員全員に「改善済み報告書」を出してもらい、改善も自分でしてもらうようにしたところ、工場が見違えるように良くなり生産性も上がったとのことでした。そこで、病院向けに報告書の名称を変え、夏の「不具合改善済み報告書」(事故が起こる前に問題に気づいて改善し、事故を未然に防ぐための報告書)として皆さんに提出を呼びかけた次弟です。
今までに提出された報告書を見て、砥部病院の職員のみなさんの潜在的能力の高さに驚いています。同じ人がいくつものことに気がついて、自分なりの改善をして報告をしてくれています。私は、かわいらしい小さなことに気づく人が大好きです。センター4階の三瀬さんは、食事の時に食事介助の必要な患者さんを一カ所に集めてしまうという間違いに気がつきました。自力で食事摂取できる患者さんでも誤嚥の危険性があるのだから、介助の必要な患者さんを分散させることによって職員もバラバラになり、より多くの患者さんに目配せができるようになったと報告して下さいました。
事故が起こる前に問題に気づくことは大変素晴らしいことだと思います。今日はどんなことに気づいて、どんな工夫をして改善しようかと考えるだけでもウキウキワクワクしますね。仕事は楽しんでするものです。みなさんの活躍を楽しみにしています。
平成23年8月25日