令和3年
ひと昔前は「人を見たらドロボウと思え」 最近では「人を見たら認知症と思え」 現在は「人を見たらコロナと思え」である。十分に警戒することが求められている。
名古屋市立東部医療センター院長村上信五先生から電話をいただいた。年末、医療センターに心臓カテーテル検査のために2泊3日で入院した患者が、退院して2日後に家で発熱し、検査すると新型コロナウィルスに感染していた。
これを受けて、接触した医師らを検査した結果、医師3人と看護師7人、計10人に新型コロナウィルス感染が判明したとのことであった。
こうなってくると、自分の周りの人は患者、同僚を問わず、元気であっても、新型コロナウィルスに感染していると疑って仕事、生活するしかない。
もう一度確認しておくが、感染経路は3つ。
1)飛沫感染 2)接触感染 3)エアロゾル感染である。
1)に対しては、マスクをする。社会的距離をとって会話する。
詰所での食事は密にならないようにする。大きな声や笑い声を発生させずに食べること。私生活においても会食には注意を要する。
2)に対しては、手洗いをしっかりする。物に触ったり、タイプしたり、病棟内の物や患者さんに触る前後でアルコールジェルのワンプッシュ消毒をする。
3)に対しては、密閉、密着、密集を避ける。病棟の換気をして、人との距離をとり、更衣室では大声で会話しない。大声で笑い声をあげない。
もう一度念をおしておくが、検査は感度、特異度で考えなければならない。
感度とは、新型コロナウィルス感染者が陽性となる確率。特異度とは、新型コロナウィルスに感染していない人が、陰性となる確率である。
PCR検査でも、病院で行う抗原検査でも、感度は70%、特異度は99%と言われている。病院で行っている抗原検査の場合、PCR検査と同じ精度になるためには、ウィルス量が十分に存在することが必要で、発症後2日から9日目でなければ、正確に判定できないとされている。
感度70%とは、新型コロナウィルスに感染している人を100人検査すると、70人しか陽性にならず、30人は陰性と判定されてしまうということである。したがって、入院時スクリーニングの抗原検査で陰性だったからといって、気を抜いてはいけないのである。
「人を見ればコロナと思え」 十分に距離を取り、警戒すること。
令和3年1月24日