令和2年
新型コロナウィルス感染症の猛威が止まらない。北海道旭川市の病院クラスター(感染者集団)は旭川厚生病院で感染者計300人、慶友会吉田病院も感染者200人を越えている。クラスターが発生した原因についての反省は当院の教訓になる。
1)PCR検査が陰性であっても感染者であった
PCR検査でも、抗原検査でも、感度は70%である。100人のコロナウィルス感染患者が検査を受けて、70人しか陽性にならない。30人は陰性と出る。したがって、新入院の発熱患者の抗原検査が陰性だったとしても、入院後、発熱の原因が判明するまでは、隔離、標準予防策を怠らないこと。
2)新型コロナウィルス感染症患者の発見が遅れた
抗原検査が陰性の場合でも、偽陰性の可能性を必ず考える。
胸部CTにおけるすりガラス影 LDH CRP フェリチン値高値 リンパ球数減少 プロカルシトニン基準値内を満たすと新型コロナウィルス感染症の可能性が高い。
3)患者ケアの時の手指消毒が不十分だった
患者に触る前、触った後のワンプッシュ消毒を徹底。
キーボードも触る前と触った後のワンプッシュを徹底。(旭川で感染が拡大した理由とされている)していない人を見つける。お互いが注意をし合う。
4)飛沫に対する防護が不十分だった
吸引処置、食事介助など、飛沫が発生する場合で目の防護をしていなかった。
ゴーグルを支給せよ。目、口、鼻を消毒していない手で触らないことも肝要。
5)防護用具の不適切な使用があった
着る時よりも脱ぐ時のほうが大切。エキスパートナースの図にある脱ぎ方が最も理にかなっている。
6)職員同士で感染が拡大した
食事の時間をずらす。向き合って食べない。休憩時間もずらす。職員間の濃厚接触を極力減らす。調子の悪い時は出てこない。電話で連絡する。
新型コロナウィルスの感染性のピークは症状出現の2日前から出現直後である。症状は無くても、自分はコロナウィルス感染者であると考え、慎重に行動すること。
以上を今年最後のお願いとさせていただきます。この1年間、本当にご苦労様でした。良いお年をお迎えください。来年もまたよろしくお願いします。
令和2年12月24日