平成23年
「奥さんの言うことを完璧に聞く極意」
以前、町長さんから「砥部町に倫理法人会を立ち上げるのでよろしく」と言われてましたが、私の柄に合わないと思い、静かにしていました。今回また、町長さんから、「先生は夜の宴会だけ出席して、朝6時半からのセミナーには職員の人に出てもらえばいいんだから」と入会の催促を受け、土居君(砥部病院のホープ)の顔がふと浮かんだものですから、入会することにしました。
先日のセミナーでは㈱ゲンキの平和堂の藤本定明会長が講演をされました。非常に景気の良かった時、奥様の制止を振り切って豪邸を建て、外車を乗り回し、小料理屋を出したそうです。バブルがはじけ、借金のため、一時期は自殺まで考えましたが、娘の「お父さん首をつるならすぐ見つかる所でしてね。遺体が発見されるまで保険金が出ないんだから」という言葉で踏みとどまり、見事に会社を再建されました。「奥さんの言うことをきちんと聞いておけば一億円は損せずに済んだ、今日は『奥さんの言うことを完璧に聞く極意』を伝授する」という言葉に固唾をのんで、出席者は聞き入っていました。その極意とは、「今日から自分の奥さんではなく、隣りの奥さんが来てくれていると思いなさい。隣の奥さんが来てくれてご飯を作ってくれていると思えば、感謝するでしょう。『おいしい』の一言も言うでしょう。ガミガミ言われたところで隣りの奥さんが言ってくれていると思えば素直に聞けるでしょう」ということでした。
その晩、久しぶりに夢を見ました。私が天国へ行った夢でした。天国の門には二つの入口がありました。一つ目の門には「生前奥さんの言うことばかり聞いて、自分の思い通りに人生を送れなかった人はこの門より入れ」と書いてありました。二つ目の門には「生前奥さんの言うことなど全く聞かず、自分の思い通りに人生を送ることができた人はこの門より入れ」とありました。一つ目の門には、たくさんの人が並んでいました。懐かしい顔も見られました。中村剛志町長も、町民の期待通り奥さんの言うことばかり聞いておられたようで、ここに並んでおられました。それでも、天国に来て、奥さんからの呪縛から逃れ、どこか晴々しいお顔で、隣りの山本県議とお話されていました。町長さんにご挨拶を済ませ、私は佳代の言うことなど聞かず、自分の思い通りの人生を送りましたので、二つ目の門に行きました。すると、一人上品な顔立ちの紳士が立っておられました。よく見ると藤本会長でした。私は思わず「会長さん、どうしてこちらの門なんですか。今日のセミナーで奥さんの言うことは完璧に聞けと私たちに説教されていたではありませんか」と言いました。すると会長は言われました。「女房が、世間体が悪いのでここに並べと言ったのです」さすが、藤本会長、あの世でも奥さんの言うことを聞いておられました。
平成23年6月24日