名誉院長の麻生だより
今年も残り少なくなりました。みなさんにとって今年はどんな年だったでしょうか。
来年の入り口に、白いひげを生やした老人が座っていました。ある人が、「来年はどんな年になるでしょうか」とその老人に聞きます。
老人は「あなたにとって今年はどんな年でしたか」と尋ねます。その人は「今年は人間関係が悪く、仕事もおもしろくなく、散々な年でした」と答えました。老人は予言します。「来年も同じ、散々な年になるでしょう」と。
次の人が来年の入り口に来ました。老人に「来年はどんな年になるでしょうか」と聞きます。老人が再び「あなたにとって今年はどんな年でしたか」と問います。すると、その人は「今年はとても素晴らしい年でした。人間関係も良く、お父さんお母さんも元気でいてくださいました。私は少し体調を崩しましたが、その病気から色々なことを学びました。おかげで、自分の仕事は地域への恩返しと思えるようになり、一生懸命に仕事をしていると、楽しくて、楽しくてたまりませんでした。素晴らしい一年だったと思います」老人は答えます。「来年は今年と同じ素晴らしい年になるでしょう」
この逸話の言いたいことは何でしょうか。来年という環境は「その人の心の持ち方」次第で決まるということです。
環境に左右されるのではなく、環境を作ることのできる人間に成長したいものです。人間力を鍛えあげ、人物が偉大になれば、立派な環境を作ることができると安岡正篤も言っています。
21世紀は砥部病院の時代。求められるものは総合人間力です。
1.挨拶 先手の挨拶を制する者は人間関係を制する。
2.笑顔 笑顔のスタッフは院内環境の大切な一部である。
3.思い 思いが無ければ患者さんは前に進まない。
4.感性 人の気持ちを理解できる感性を持て。
5.思考 本を読み、人の話を聞いて、己の中で熟成させよ。
厚生労働省は、地域包括ケアシステムをさらに進化発展させて、高齢者・障害者・子どもなど全ての人々が、1人ひとりの暮らしと生きがいを、ともに創り、高め合う「地域共生社会」の構築に着手します。その社会環境作りに貢献できる人材を養成するのが、これからの砥部病院の目指すところなのです。
平成29年12月24日