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医療法人 誠志会 砥部病院

砥部病院
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名誉院長の麻生だより

2016/12/28
平成28年 No.10

 平成28年11月18日付の愛媛新聞の社説に高齢者の運転のことについて書いてありました。その主張は、1)自動ブレーキや、アクセルを踏み込んでも暴走しない車の普及を促す 2)高齢者の免許の自主返納を促す 3)高齢者の交通安全教室を拡充する 4)75歳以上の運転者の認知機能検査を3年毎から2年毎にする 5)住民の足を維持していくために行政と地域が一体となり知恵を絞る、です。
 これらの対策は即効性のあるものではありません。65歳以上の運転免許保有者数は、1600万人。65歳以上の人の認知症の有病率15%をかけると、何と240万人が認知症ドライバーの可能性があります。
 私たちの通勤途中でさえ、何人もの認知症ドライバーが前を走っていたり、交差点に入って来たり、対向車線を走っていて、何が起こるかわからないと考えたほうが良いでしょう。
 私たちに今できることは、自分の命を守る運転しかありません。愛媛県では今年、交通事故で63人が死亡、うち36人が65歳以上の高齢者です。これは全国でもワーストの部類に入ります。
 原因は愛媛県人の交通マナーの悪さにあります。伊予の早まがり、見切り発進、青は行け、行け、黄も行け、赤でもたまには行ってよい、というような運転風習があります。他県から愛媛県に引っ越しして来た人が、愛媛県人の運転マナーの悪さにびっくりしています。譲り合いの精神というものがまったく感じられないそうです。
 道路交通法で定められた信号機の色は、赤は必ず止まれ、黄色は基本的に止まれ、青は進んでも良いという意味です。前方の信号が黄色になりそうだからとアクセルを踏み込むのは止めましょう。黄色で、あわてることなく、しっかり止まる運転を心掛けましょう。
 制限速度50kmの道は、51kmでも交通違反です。制限速度10kmオーバーまでは検挙されないからと、60kmで平気で走る風習も見直さなければなりません。
 自分の命を守るためには、自分の運転マナーを正し、制限速度を守り、他の車はすべて認知症の人が運転していると想定して、あらゆる事態に対応できるように、安全運転を心掛けるしかありません。

 平成28年11月24日

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