名誉院長の麻生だより
リレーフォーライフを一時的なイベントで終わらせてはいけないと思い、愛媛新聞の地軸に載った素晴らしい文章を紹介します。
砥部病院にも、自分自身のがんと戦いながら仕事をしている人がいます。また、お母さんのがんの看病をしながら、夜勤までこなしている人もいます。がんに限らず、子育てに奮闘しながら、親の介護をしながら、あるいは自分の病気と上手に向き合いながら働いている人がいます。
この人たちに必要なのは、地軸に書いてある通り「受援力」です。「援助を受ける力」です。どうか、負い目を抱えたままで、無理を重ねないで欲しいと願います。苦しいこと、辛いことがあれば、何でも相談してください。援助されることを、潔くないとか、人に迷惑がかかるなどと思わないでください。頼られると嬉しい、誰かの役に立ちたい、人を喜ばせたいという気持ちは、私たち医療、看護、介護に携わる者の精神の根底にあります。だから何でも相談してください。「相手の喜びが自分の喜び」となる職場は、元気な人にとっても素敵な職場となるはずです。
「夢を見た、クリスマスの夜。浜辺を歩いていた、主と並んで。砂の上に二人の足跡を残していった。この一足一足は、私の生涯の一日一日を示している。ひとつのことに気づいた。ところどころ、一人の足跡しかないことに。それは生涯でいちばん暗かった日とぴったり合う。そこで主に向き合って言う。『あなたは、日々私たちと共にいると約束されたではありませんか。どうして、人生の危機にあった私を一人で放っておかれたのか、まさにあなたの存在が必要だった時に』ところが、主は私に答えて言われた。『友よ 砂の上に一人の足跡しか見えない日、それは私がきみをおぶって歩いた日なのだよ》」(アルマール・デ・パロス「神我らと共に」より抜粋)
砥部病院もこの詩と同様、熱く、優しくありたいと思います。
平成28年10月24日